そんな悩みに『繊細な人が快適に暮らすための習慣』はお答えしています。
※「繊細な人」とは本書ではHSPのことを言います。HSPを知らない方は、こちらの記事を読んでいただくと本記事が読みやすくなるので、合わせて読んでみてください。
細かいことが気にならなくなる習慣
人付き合いの疲れを軽減する習慣
自分に厳しいのをゆるめる習慣
あなたの繊細さを活かす習慣
上記の内容から
本書の習慣を実践していけば、HSPの人でも繊細な心はそのままに不安や苦痛を和らげる方法を身につけることができます。
些細なことが気になって人一倍不安を感じやすい人
人間関係にストレスを感じ少しでもラクになりたい人
つい自分の悪いところばかり気になってしまう人
こういった人に本書はおすすめです。
それではいきましょう。
「HSP」は心理学用語であり、精神科とは別分野の概念です。したがってHSPは病気や障害ではないため、医学的な対処法は原則的にはありません。
目次
『繊細な人が快適に暮らすための習慣』について
著書:西脇俊二さん
・精神科医としてハタイクリニックの院長をつとめている
・メディア出演、医療監修、執筆など多数の分野で活躍中
・自身が※自閉スペクトラム症(ASD)であり、その苦労を乗り越えた経験を活かした著作が多い
【※自閉スペクトラム症(ASD)とは】
”対人関係の困難や興味・関心の限定、特定の行動を繰り返すなどの特徴がある発達障害のことです。 知的障害を伴う場合と伴わない場合があり、症状は年齢や環境、現在受けている教育や支援などにより、さまざまに異なった現れ方をします。”
上記のように、著者の西脇さんは精神科医として多岐にわたって活躍されている正に名医と呼ばれるとても偉大な方です。
本書の特徴
特徴は主に2つあります。
特徴①:精神科医として臨床で実践してきた手法が応用されている
特徴②:「習慣」をベースに方法が説明されている
特徴①:精神科医として臨床で実践してきた手法が応用されている
精神科医である西脇さんの専門分野は「自閉スペクトラム症等の発達障害」ですが、繊細すぎるという悩みの部分では、これまで診てきた発達障害の患者さんとHSPの人は共通すると言っています。
そこで発達障害の人への対処法をHSPの人向けに応用することで、HSPの人が感じる苦痛や不安を大幅に軽減できる方法を精神科医ならではの視点で紹介されています。
・認知行動療法を使う(偏った考え方を変える方法)
・糖質(お菓子やフルーツ、炭水化物)を控えた食生活を行う
・上半身リラックス体操をする など
このように精神科医としての知見と多くの患者さんを診てきた医療現場での経験を活かして、専門的な手法を本書ではわかりやすい言葉で説明がされています。
特徴②:「習慣」をベースに対処法が説明されている
本書は「その場しのぎ」の対処法ではなく、「習慣」をベースにした対処法が多く紹介されています。
つまり、即効性はないですがコツコツと続けるうちに効き目が出てくるものばかりです。
【習慣ベースの対処法例】
・優先順位のつけ方
・スモールステップで努力する
・会話の緊張を減らす「3カメ」の練習 など
このような対処法が習慣として身につけば、成果も大きく24時間365日のうちに平常心でいられる時間が増えます。
したがって長期的に見れば生き方の変化にもつながり、より自分らしく充実した人生が送れる可能性が広がっていくということになります。
『繊細な人が快適に暮らすための習慣』の学びポイント3選
学びポイント①:物事の捉え方を変える
HSPの人は失敗を過大に受け止め自己否定してしまうクセがあります。
そしてそこから変な思い込みをし、認知のゆがみが出てきてしまいます。
本書ではその捉え方のクセを直して楽になるための練習方法として「認知行動療法」を紹介しています。
例えば以下のような場面で自己否定のクセが出てきて認知のゆがみが起こります。
【場面】食卓で両親が黙り込んでいるので、場を盛り上げようと明るくおしゃべりをしたら、父親から怒鳴られた。
【自己否定】「私ってバカだ・・・」
【認知のゆがみ】「明るく振舞ったら怒られるんだ・・・」
善意の気持ちでした行動がその場面ではたまたまうまくいかなかっただけなのに、「私ってバカだ・・・」や「明るく振舞ったら怒られるんだ・・・」というのは極端な決めつけになり、これが偏った捉え方になります。
そういったときには反対意見を持って考えると認知のゆがみを修正できるので、ぜひ実践してみましょう。
【上記場面での反対意見の例】
「私には善意があった。ほめられてもいいくらいなのでは?」
「父親も、きっとたまたま機嫌が悪かったんだ」
「まあ。昭和の頑固オヤジだから、不器用なのよね」など
学びポイント②:相手の自己重要感を満たす
人間関係に悩みを抱えるHSPの人は多いと思います。
本書ではスムーズなコミュニケーションの取るための習慣として「相手の自己重要感(=自分が大切にされている感覚)を満たす」ことが重要であると言っています。
なぜなら、自己重要感を満たしてくれる相手のことは、必ず好きになり、大切にしてくれるからです。
では具体的にどのように接していけばいいのかと言うと、第一歩として「相手の話を聞く(言葉さえぎらない、否定しない、考えを押し付けない)」というのが基本にあります。
これは共感力のあるHSPの人なら多くができているはずです。
ただ本書ではもうひとつ「相手の話を聞く」に加えて「分析ワザ」を使うとさらに相手の自己重要感を満たすことができると言っています。
この人は何をすれば、尊重されていると感じるのか?
どんなところを言葉で褒めれば喜ぶのか?
このように「分析ベース」ならではの視点で考えていくことで、さらに円滑な人間関係が築けようになります。
また人の個性は大きく3種類に分けられるので、相手の特徴を把握しておくのも重要です。
以下に3タイプの特徴とそれぞれの自己重要感の満たし方を一部抜粋して載せておくので、参考にしてみてください。
【人間の3タイプ】
①パーソナリティ重視タイプ
人を見るとき、その能力やバックグラウンドよりも、「人柄」を重視する
※自己重要感の満たし方→シンプルに人柄を賞賛する
②パフォーマンス重視タイプ
ムダなく素早く結果に到達することを目指す
※自己重要感の満たし方→「デキル人」であることを指摘する
③ブランド重視タイプ
権力・権威・資格などに価値を見出し、大きな組織や高い地位を好む
※自己重要感の満たし方→特別感を感じさせる言葉で褒める
学びポイント③:「第二領域」を意識すると人生が豊かになる
第二領域とは、以下の赤枠の領域のことを言います。
つまり「緊急ではないけど重要度の高い」領域の活動を行うことで、HSPの人が幸福な人生を送っていることができるようになると本書では言っています。
なぜなら、すぐにやる必要はなくてもあなたにとって大切なことを日々実践していくと、小さな成功体験が積み重なり、達成感と充実感を味わうことができるからです。
では、具体的にどのようなものが「緊急ではないけど重要度の高い」活動になるのでしょうか?
結論から言ってしまえば「人それぞれ」というのが大前提にはありますが、以下のような3つの視点から考えると良いと本書では言っているので、参考にしてみてください。
【緊急ではないけど重要度の高い活動】
①学習
習い事をする、資格にチャレンジする、読書をする、勉強会に出るなど
②健康づくり
ランニング、ストレッチ、筋トレ、ジム通いなど※健康によい食事もここに入る
③人とのつながり
大切だと思える友人、信頼できる仕事仲間、相談できるメンター、インスピレーションをもたらしてくれる知り合いなどとの交流
『繊細な人が快適に暮らすための習慣』のまとめ
『繊細な人が快適に暮らすための習慣』のポイントについてここで、再度まとめておきます。
学びポイント①:物事の捉え方を変える
→否定する自分に反対意見を持つと認知のゆがみを修正することができる
学びポイント②:相手の自己重要感を満たす
→「相手の話を聞く」に加えて「分析ワザ」を使うと相手の自己重要感を満たすことができる
学びポイント③:「第二領域」を意識すると人生が豊かになる
→すぐにやる必要はなくてもあなたにとって大切なことを日々実践していくと、小さな成功体験が積み重なり、達成感と充実感を味わうことができる
本書では他にも、ここでは紹介しきれなかった内容がたくさん説明されているので、気になった方はぜひ読んでみてください。
きっとこれまで以上に快適に暮らせる人生が待っているはずです!
今回は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。