HSP本(書評)

【書評&要約まとめ】HSPのための漢方生活│村本瑠美・村本貴士

なんだかすぐに体調を崩してしまう・・・ 
敏感すぎる自分の体をケアできる方法があれば知りたいな・・・

 

そんな悩みにHSPのための漢方生活』はお答えしています。 

 

HSPを知らない方は、こちらの記事を読んでいただくと本記事が読みやすくなるので、あわせて読んでみてください。 

HSPとは? 「まわりの人が気にしないささいなことが気になる・・・」 「相手の気持ちもちょっとした違和感もすごく感じてしまう・・・」 ...

 

 

本書の内容

・HSPの特徴と漢方との相性が良い理由 

・漢方の世界へようこそ 

・HSPが抱えやすい体や心の悩みの対処法 

・はじめて漢方相談を受けられる方へ 

・HSPと共に暮らすヒント 

上記の内容から 

本書を読むことで、HSPの人が漢方によって体や心の不調を改善する方法を知ることができます。

 

・ストレスで疲れを感じやすい人 

・体調不良になりやすく、薬にも敏感に反応してしまう人 

・漢方を使って心身共に健康になりたい人

こういった人に本書はおすすめです。 

 

管理人タチ
管理人タチ
「HSP×漢方」と新しい視点のHSP本だったので、とても興味深い内容でした。 
初めて漢方について触れる人でも、すごく丁寧にわかりやすく解説してくれているので、気軽に読み進められる1冊になっています!  

 

それではいきましょう。 

 

目次

HSPのための漢方生活』について 

著者村本瑠美さん・村本貴士さん 

◎村本瑠美さん 

村本 瑠美 むらもと るみ

漢方カウンセリング がじゅまるHPより引用 

・漢方カウンセラー、登録販売者 

・上海中医薬大学附属日本校で中医学を学ぶ 

・村本瑠美さん自身もHSP 

◎村本貴士さん

村本 貴士 むらもと たかし

漢方カウンセリング がじゅまるHPより引用 

・産業カウンセラー、登録販売者 

・大阪大学法学部卒業後、20年以上サラリーマン生活を送る 

・夫婦2人体制でのカウンセリングをしている

 

また著者のお二人は、ご夫婦で横浜・妙蓮寺に「漢方カウンセリング がじゅまる」という漢方薬店を開かれています。 

日本では数少ないHSPにも対応できる漢方薬店です。 

体調不良や心の悩みがあるHSPの方はぜひ1度相談に行ってみるといいかもしれないですね。 

以下に「漢方カウンセリング がじゅまる」さんのホームページを載せておくので気になった方はご覧ください。 
漢方カウンセリング がじゅまるHP

 

本書の特徴 

特徴は主に3つあります。 

特徴①:HSPと漢方の関係性を学べる 

特徴②:HSPの悩みに合わせた漢方がわかる 

特徴③:HSPのよりよい暮らしのヒントが見つかる

 

特徴①: HSPと漢方の関係性を学べる 

 

第1章と第2章では、HSPと漢方の関係性について学ぶことができます。 

 

・HSPやHSS型HSPの特徴 

・HSPと漢方の相性が良い3つの理由 

・漢方って何? 

・中医学の3つの特徴 など 

 

このような内容から、HSPと漢方についての基本的な内容を抑えることができます。 

漢方の知識については、初めての人でも本当にわかりやすく丁寧に解説をしてくれているので、安心して理解できる内容です。

 

特徴②: HSPの悩みに合わせた漢方がわかる 

 

第3章と第4章では、HSPの心身の悩みに合わせた漢方を使った対処法について知ることができます。 

 

・なかなか寝付けない、眠りが浅い 

・気持ちが不安定になりやすい 

・頭痛、生理痛 

・信頼できる専門家の選び方 など 

 

本書では上記以外にも様々な心身の悩みについてにの対処法が解説されているので自分にあった対処法が見つかります。 

特に第4章では、はじめて漢方を相談したい人に向けて、専門家を通じた見つけ方も紹介しているので、とても親切な内容です。 

なので、本書を通して漢方に興味を持った人は、実際に利用するまでの具体的なイメージまで持つことができるようになります。 

 

特徴③: HSPのよりよい暮らしのヒントが見つかる 

 

第1章から第4章までは村本瑠美さんが書いた「HSPと漢方」についての内容でした。 

最後の第5章では、村本瑠美さんの旦那さんである村本貴士さんが書いた内容です。 

HSPではない村本貴士さんの視点から、HSPである村本瑠美さん」との生活について書かれた内容になっています 

 

・2人体制でのカウンセリング 

・HSPにとって住居は大切 

・HSPとどのように接したら良いのか など 

 

このような内容からHSPの人自身のよりよい暮らしの方法や、HSPではない人がHSPの人と共に暮らすヒントが見つかります。 

20年以上、夫婦として一緒に過ごされた村本貴士さんの体験談から書かれているので、とても説得力と信頼性の高い内容です。 

 

HSPのための漢方生活』の学びポイント3 

 

学びポイント①:HSPと漢方の相性が良い3つの理由 

 

HSPの人は刺激に反応したり、共感力が高いため心の動きを繊細に感じやすく、常に神経を使っています。 

そして、それがストレス反応としてあらわれ疲れをためてしまいがちです。 

ただ、こういった生きづらさを持っているからこそ、HSPは漢方薬との相性が非常に良いことを本書では解説しています 

 

なぜなら、HSP気質から現れる

「①薬に敏感」「②ささいな変化によく気づく」「③物事にじっくり取り組む 

これらの特徴が、漢方薬を服用する上でとても利点になるからです。 

 

以下に上記3つの特徴が漢方との相性がいい理由について、本書から一部引用します。 

 

①薬に敏感なHSPは、自然由来の漢方薬と相性が良い 

漢方薬は、先に書いたように主に植物や動物、鉱物といった自然由来の生薬使用しており、西洋の薬と比べて穏やかに効くものが多いため、薬に敏感なHSPの体質と相性が良いのです。また、漢方薬は生薬を2種類以上組み合わせることにより、それぞれの薬効を生かすだけでなく、薬の毒性も軽減しており、副作用に配慮されたものも多いです。 

 

②HSPは、漢方薬の味のや香りの微妙な変化にも気づきやすい 

味や香りを繊細に感じ取れるHSPは、漢方薬と相性が良いと思われます。漢方薬の味や香りを好んで飲まれる方も多く、よく「漢方の香りを嗅ぐと落ち着く」「飲むとなんだかホッとする」と感想をおっしゃいます。そのため、当店では漢方薬の中でも良い香りのものを選んでいます。 

 

③HSPはまじめに養生に取り組むので結果が出やすい 

養生とは、その方におすすめの食べ物や生活アドバイスのことを言います。 

(中略) 

HSPの方は、言われたことを真剣に受け止め、養生法についても「体に良いことだから」と納得されるので、まじめに続けられることが多いです。 

 

上記の説明からもわかるように、HSPは漢方のスタイルに向いていることが多く、漢方薬と養生のダブルケアでの効果が出やすいです。 

つまり、HSPと漢方は相性抜群です。 

 

もし今、日常的に体調が優れず一般のお薬が合わないHSPの人は、ぜひ一度漢方を検討してみてはどうでしょうか? 

 

管理人タチ
管理人タチ
僕自身も特徴3つともがすべて当てはまりました。
漢方を服用した経験はないですが、今後体調を崩したときは、一度挑戦してみようかなと思います。 

 

 

学びポイント②:パニックになりやすい、緊張しやすい 

 

ここでは、HSPが抱えやすい心身の悩みについての内容です。 

実際の本書では、様々な悩みについて取り上げてますが、本記事では「パニックや緊張しやすい」という悩みをピクアップしてお話します。 

 

結論、パニックや緊張しやすいHSPの人は、 

『抑肝散加陳被半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)』 

という漢方薬を服用するといいと本書では言っています。 

 

おそらく多くの人が「何だそれ?」って思いますよね。 

一言で言うと『抑肝散加陳被半夏』は「肝」の高ぶりを抑えてくれる漢方薬です。 

「肝」とは「※五臓」のひとつで 

・血の貯蔵庫で、気や血を体に巡らせる 

・筋肉に栄養を与え、動きをスムーズにする 

・自律神経に関わり、情緒を安定させる 

こういった機能があります。 

※五臓とは 

漢方でいう、人体の五つの内臓。心臓・肝臓・肺臓・脾 (ひ) 臓・腎 (じん) 臓。

goo国語辞書より引用 

 

ただ、HSPは繊細であることから、こういった「肝」の機能が乱れがちです。 

そういった場合に『抑肝散加陳被半夏』を服用することで効果が期待できます。 

以下に効果の内容を引用します。 

『抑肝散加陳被半夏』の効果

興奮によって生じる手足のふるえや筋肉のけいれん、貧乏ゆすりやチェックなどの症状にもよく、ストレスの発散ができず、神経が高ぶる場合に適しています。 

 

他にも以下のような漢方薬もパニックや緊張のときにおすすめです。 

・『苓桂甘棗湯(りょうけいかんそうとう)』 

⇒下から突き上げるような動機を訴え、緊張で神経が高ぶる人

・『定悸飲(ていきいん)』 

⇒動機が目立って苦しい場合や不安感が強い人

 

このようにパニックや緊張でも、微妙な違いがあるので、自分に合わせた漢方薬を使ってみましょう。 

また、本書では漢方薬を以外にも、悩みに合わせた誰でもかんたんにできるセルフケア方法もたくさん紹介しています。 

漢方のハードルが高く感じる人にとっては、こちらのほうが取り組みやすいと思うので、ぜひ実際の本書を読んで見てください。 

  

管理人タチ
管理人タチ
パニックや緊張の細かな原因に着目して、服用するのが漢方薬の特徴なのかなと思いました。 
HSPであれば、繊細な自分の症状にも気づけると思うので、漢方との相性の良さがより感じられますね。  

 

学びポイント③:信頼できる専門家の選び方 

 

漢方に興味を持ち、実際に始めてみようかなと思っている人向けの内容です。 

 

漢方は、信頼できる専門家から処方される、自分の体質にあったものを服用したほうがいいとを本書では言っています。 

著者のHSPである村本瑠美さんは、過去に自分には合わない漢方薬を処方され体調を悪化させてしまった経験があるそうです。 

 

その経験を踏まえて、信頼できる専門家の選び方について本書では紹介しています。 

「漢方医」と「漢方薬局・薬店」に分けて説明しているので、以下の内容を参考にしてみてください。 

 

【専門家の選び方】 

◎漢方医の場合 

・問診票がとても詳しい 

・顔色や舌、脈などをじっくりと視てくれる 

・きちんと話を聞いて説明してくれる 

◎漢方薬局・薬店の場合 

・あなたにとって今、必要な漢方薬をすすめてくれる 

・「薬が効かない、合ってない」と言ったら、もう1度考えてくれる 

・予算に合った漢方薬をすすめてくれる 

・最終的には廃薬に向けてプランを練ってくれる 

 

このような基準を持つと、信頼できる専門家と出会いかつ自分に合った漢方薬を見つけることができるので意識してみましょう。

 

また「実際の漢方相談の流れやよくある疑問」など、もう少し詳しく知りたい人も、本書では丁寧に説明してくれているので安心してください。 

 

管理人タチ
管理人タチ
漢方の知識だけでなく、実際の利用方法まで説明してくれているのは本当に丁寧で親切な内容だなと感じました。 
著者の温かみのある人柄から、読み手に寄り添っている感じがすごく伝わりました。

  

HSPのための漢方生活』のまとめ 

HSPのための漢方生活』のポイントについてここで、再度まとめておきます 

学びポイントまとめ

学びポイント①: HSPと漢方の相性が良い3つの理由 
HSP気質から現れる「①薬に敏感」「②ささいな変化によく気づく」「③物事にじっくり取り組む」といった特徴が、漢方薬を服用する上でとても利点になる

学びポイント②:パニックになりやすい、緊張しやすい 
『抑肝散加陳被半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)』という漢方薬を服用することで、パニックや緊張を抑えることができる 

学びポイント③:信頼できる専門家の選び方 
自分に合った漢方薬を処方してくれる、漢方医や漢方薬局・薬店を見つける 

実際の本書には、ここでは紹介しきれなかったすばらしい内容が盛りだくさんなので、気になった方はぜひ読んでみてください。

 

きっと心身共に健康な毎日を過ごせるすてきな漢方生活が始まるはずです! 

 

今回は以上です。 

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。 

 

 

この記事を書いた人
タチ
タチ
精神保健福祉士。自身もHSP気質を持つ。 当サイトでは60冊以上のHSP本の紹介や、HSPに向けたお役立ち情報を発信しています。 繊細な人の「心身の健康」や「よりよい生活」に貢献できれば幸いです。