HSP本(書評)

【書評&要約まとめ】気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる│長沼睦雄

悩んでる人
悩んでる人
ちょっとしたことが気になってひとつの出来事が頭から離れない・・・。過去の失敗をいつまでもクヨクヨ悩まず、うまく自分と付き合えるようになりたいな・・・

そんな悩みに『気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる』はお答えしています。

 

※HSPを知らない方は、こちらの記事を読んでいただくと本記事が読みやすくなるので、合わせて読んでみてください。

HSPとは? 「まわりの人が気にしないささいなことが気になる・・・」 「相手の気持ちもちょっとした違和感もすごく感じてしまう・・・」 ...

 

 

本書の内容

「気にしすぎ」ってどういうこと?

あなたがクヨクヨしてしまう本当の原因

気にしすぎ人間に大切にして欲しいこと

気にしすぎな自分を受け入れるために

考え方を変えるだけで気にしすぎ人間が輝きだす

 

上記の内容から

本書を読むことで、自分の心としっかり向き合えるようになり、毎日感じていた生きづらさを無くすことができます。

 

・小さなことを気にしすぎてしまう人

・失敗を引きずりずっとクヨクヨしてしまう人

・「気にしすぎ」を良い方向に活かしたい人

こういった人に本書はおすすめです。

 

管理人タチ
管理人タチ
「気にしすぎ」や「クヨクヨ」は一見悪い特徴に見えますが、本書を読み終えたころにはその本質を知ることができるので、「気にしすぎ人間でもいいかも」そう思わせてくれること間違いなしです!

 

それではいきましょう。

 

目次

『気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる』について

著者:長沼睦雄さん

長沼, 睦雄

Amazonより引用

・十勝むつみのクリニック院長

・日本では数少ないHSPの臨床医

・2000年よりHSPに注目し研究を開始

 

また長沼先生は20年以上の臨床経験から信頼と実績のある精神科医でありながら、HSPについても研究をされているので、本書以外にも様々なHSPに関する書籍を出版されています。

長沼先生の著書一覧はこちらから確認できます。

長沼 睦雄: 本 – Amazon.co.jpへ移動

 

本書の特徴

特徴は主に2つあります。

特徴①:「気にしすぎ人間」の正体と原因がわかる

特徴②:「気にしすぎ人間」の受け入れ方と活かした方が学べる

 

特徴①:「気にしすぎ人間」の正体と原因がわかる

 

第1章~第2章では「気にしすぎ人間」の正体と原因について知ることができます。

つまり

「自分はどうしていつもクヨクヨしてしまうんだ・・・」

こういった疑問を解消することができます。

 

【第1章の内容】

・気にしすぎてクヨクヨ・・・。その気持ち、うまく説明できますか?

・「クヨクヨ」は、どこからくるのか

・ゆがんだ思考が「クヨクヨ」に直結する

・マイナスな考えから、なかなか抜けられないのはなぜ?

【第2章の内容】

・マイナス思考の裏にある、トラウマや愛着障害

・マイナス思考に陥りやすい、自己愛性パーソナリティって?

・クヨクヨ思考を生み出す神経の働きとは

・「マイナス思考」を生む脳の働きとは?

・生まれながらに、「気にしすぎ体質」の人もいる

・HSP気質に振りまわされないために

 

上記のように様々な論点からわかることができます。

また心理学や神経科学、脳科学などの視点も織り交ぜて解説してくれていますが、わかりやすい表現なので、身構えることなく気楽に納得感を持って学ぶことができます。

 

特徴②:「気にしすぎ人間」の受け入れ方と活かした方が学べる

 

後半の第3章~第5章では「気にしすぎ人間」の受け入れ方と活かした方について学ぶことができます。

 

【第3章の内容】

・マイナス思考を否定するだけでは救われない

・受け入れることからすべてが始まる

・自分という人間を客観的にみてみよう

・外ではなく、内をみることで受け入れることができる

・トラウマも愛着障害も消す、受け入れる力

・受け入れる力が、心をもっと自由にする

・「悩む自分」のことも大事にするために

【第4章の内容】

・「受け入れる」を実践してみよう

・瞑想が自分の心を受け入れる下地となる

・いいも悪いも存在しないことを知ろう

・言葉の力で、ありのままを受け入れる

・心のクリーニングで、本当の自分を認める

・「受け入れる」は、人との関係の中でも実践できる

【第5章の内容】

・「気にしすぎ」も才能のひとつです

・思いやりは、相手をみることからしか生まれない

・敏感なセンサーと、思慮深い考えがあなたを支える力になる

・気にしすぎであることにうしろめたさを感じたときには

・内向型であることに自信が持てる時代

・気にしすぎ、敏感すぎを活かす視点が人生を変える

 

上記のように、「気にしすぎ人間」を受け入れるための気持ちの在り方から実践的なことまで、順にステップを踏んでいくことができます。

 

そして、5章まで読み終えたころには「気にしすぎ人間」に対するイメージがきっと大きく良い方向に変化していることになるでしょう。

 

『気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる』の学びポイント3選

 

学びポイント①:他人の目を持つと、世界が変わる

 

本書では自分のことを客観的にみることが大切であると言っています。

 

理由は自分のことを客観的にみることができるようになると、これまでマイナスのフィルターがかかってみることができなかった、HSPとしての新しい可能性に気づくことができるからです。

 

しかし、人は自分のことをどうしても主観的にみてしまい、実際に客観的にみるのはそう簡単なことではありません。

 

ではどうすれば、自分のことを客観的にみることができるようになるのでしょうか?

 

本書では客観視で意識すべきことは3つあると言っています。

 

①自分を第3者的な立場や視点でみる

→判断や感情抜きで自分を対象化できる人になったつもりで、自分のことを振り返ってみる時間を1日の少しだけでも持つ

②自分と関わる人の立場やその人の視点を使って自分をみる

→もっとも身近な存在である親が、自分をどのように受け止めていたか、自分はどんな影響を受けたか思い出す

③俯瞰で考える

→自分の思い当たる特徴や行動を、評価や判断をせずにざっと書き出してみる

 

上記3つの客観視を意識し習慣化していくことができれば、他人の評価に一喜一憂することもなくなり、ありのままの自分を受け入れることができるようになります。

 

そうすればストレスフリーで心地よく生きられることにつながるので、ぜひ実践してみましょう。

 

管理人タチ
管理人タチ
HSPは周囲からどう見られているか気になりやすい気質ではありますが、自分自身に対しては思い込みが強く主観で捉えすぎてしまう傾向があるような気がしました。ただ主観でみることは自分軸で生きるうえで大切なことだと思うので、状況に合わせて主観と客観を使い分けるといいかもしれないですね。

 

学びポイント②:食事を大きな味方にする

 

北海道帯広市内で「メンタルコンサルティング Terra(テラ)」を主宰している曽我部小百合さんが、HSPの人にアドバイスをしている食事法が本書の中で紹介されています。

 

「身体と心はすべてつながっている」

 

このように曽我部さんは言っており、気にしすぎる自分を変えていきたいのであれば、身体の健康に気を使うことが不可欠です。

 

つまり食事に気を使うことで、身体も喜び、心も本来の生きる力を取り戻すことになります。

 

3つ方法があるので詳しく説明していきます。

 

①「米、水、塩」をしっかり摂る

→人間のベースをつくる食事法のため、心の状態もよくなりきれいに痩せられる

・米は5~7分づき米で、できれば住んでいる土地に近い産地の米を選ぶ

・水は塩素などを含む水道水ではなく、ミネラル分を含む天然水を飲む

・塩は昔ながらの製法で作られた、原材料名欄に「海水」と書かれているものにする

 

②バランスを守って食べる

→3大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)だけでなく、陰性陽性の栄養を自分の体調に合わせて摂取する

・陰性(身体を冷やす作用)とされるのはカリウムの多い食品(ナス、トマト、バナナ、香辛料、糖類など)

・陽性(身体を温める作用)とされるのはナトリウムの多い食品(人参、自然薯、動物性食品、塩など)

 

③食品添加物の多い食品を減らす

→HSPの人は食品添加物に敏感に反応する(内臓に不調を感じる)のでできるだけ添加物が少ない食品を選ぶ

・食品添加物であるリン酸を多くと摂ると、身体がだるくなったり、気持ちがイライラする可能性があるので避ける

・リン酸を多く含む食品はファストフード、インスタント食品、清涼飲料水、加工品、甘いものなど

 

このように自分の身体の中に入れる食事に注意を払うことで、HSP気質とうまく付き合えることにつながるきっかけになるので、気になったものがあれば1つでも日常生活のなかで取り入れてみましょう。

 

管理人タチ
管理人タチ
僕は基本自炊しているので、「③食品添加物の多い食品を減らす」は実践できています。もちろん手間はありますが、本書の言う通りだるさやイライラが減り、心穏やかな活が送れているのでおすすめです。

 

学びポイント③:気にしすぎを、ビジネスの成功につなげよう

 

気にしすぎは一見よくないイメージの言葉に聞こえますが裏を返せば

「小さなことによく気がつく細やかな視点がある」

と言うこともできます。

 

つまり、気にしすぎは使い方次第で仕事でも十分に活かすことができます。

 

特に本書ではチームを率いるリーダーの大切な資質になると言っています。

 

「Aさんは、今日ちょっと顔色が悪い、元気がないみたいだけれど、お子さんが熱を出したのかもしれない」

「Bさんはお父さんを亡くしたばかりで、ひどく疲れているようだ。今日は早めに家に帰らせてあげよう」

 

このように優しさから仲間のことを思いやる心配りができるため、チームのマネジメント力にも長けているのです。

 

そして、こういった気遣いが働く仲間の信頼となって、チームの連帯感や仲間意識を育て、成果を上げることにつながっていきます。

 

しかし、気にしすぎも使い方の方向を間違えると危険はあります。

なぜなら、例えば過去の失敗や、起きてもない未来のことを気にしすぎるのは自分自身を悩ませてつぶしてしまうきっかけになるからです。

 

なので、上記のような気にしすぎは原則的には良くないですが、過去の失敗を学びに変え、未来にそなえるための準備というふうに意識や捉え方を変えて、気にしすぎを上手くプラスの方向へ活用していきましょう。

 

管理人タチ
管理人タチ
仕事ではないですが僕は大学時代、ゼミの学年代表をしていました。ただ、気にしすぎが悪い方向に働き、全くまとめられずストレスでつぶれてしまったことがあります。今思うと、チームをまとめる以前に、気にしすぎをプラスに働かせるためのマネジメントできる力がなかったんだと本書を読み実感しました。

 

『気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる』のまとめ

『気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる』のポイントについてここで、再度まとめておきます。

学びポイントまとめ

学びポイント①:他人の目を持つと、世界が変わる
→3つの客観視を意識することで、ありのままの自分を受け入れることができる

学びポイント②:食事を大きな味方にする
→3つ食事法に気を使うことで、身体も喜び、心も本来の生きる力を取り戻す

学びポイント③:気にしすぎを、ビジネスの成功につなげよう
→気にしすぎは使い方次第でチームを率いるリーダーの大切な資質になる

 

本書では他にも、ここでは紹介しきれなかった内容がたくさん説明されているので、気になった方はぜひ読んでみてください。

 

きっと「気にしすぎを好きになった自分」の新しい人生が始まるはずです!

 

今回は以上です。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

この記事を書いた人
タチ
タチ
精神保健福祉士。自身もHSP気質を持つ。 当サイトでは60冊以上のHSP本の紹介や、HSPに向けたお役立ち情報を発信しています。 繊細な人の「心身の健康」や「よりよい生活」に貢献できれば幸いです。