そんな悩みに『「敏感すぎる自分」を好きになれる本』はお答えしています。
※「敏感すぎる自分」とはHSPのことです。HSPを知らない方は、こちらの記事を読んでいただくと本記事が読みやすくなるので、合わせて読んでみてください。

5人に1人いる“敏感すぎる人”たち
過剰な敏感さが「生きづらさ」の原因だった
敏感すぎる自分に振り回されず生きるには
敏感な人が陥りやすい15の「困ったこと」の対処法
あなたの身近な人が「とても敏感な人」だったら
上記の内容から
本書を読むことで、HSPの性質を知りうまく付き合うコツをつかむことで、HSPのまま、ラクに生きていくことができるようになります!
敏感すぎて生きづらさを感じている人
敏感な自分を少しでも好きになりたい人
周りにHSPの人がいて、付き合い方を学びたい非HSPの人
こういった人に本書はおすすめです。
それではいきましょう。
「HSP」は心理学用語であり、精神科とは別分野の概念です。したがってHSPは病気や障害ではないため、医学的な対処法は原則的にはありません。
目次
『「敏感すぎる自分」を好きになれる本』について
著者:長沼睦雄さん

・十勝むつみのクリニック院長
・日本では数少ないHSPの臨床医
・2000年よりHSPに注目し研究を開始
また長沼先生は20年以上の臨床経験から信頼と実績のある精神科医でありながら、HSPについても研究をされているので、本書以外にも様々なHSPに関する書籍を出版されています。
長沼先生の著書一覧はこちらから確認できます☟
本書の特徴
特徴は主に3つあります。
特徴①:医学的観点からHSPの特徴や現れ方が学べる
特徴②:HSPが感じる「生きづらさ」の対処法がわかる
特徴③:非HSPの方向けにHSPとの付き合い方が書かれている
特徴①:医学的観点からHSPの特徴や現れ方が学べる
本書の第1章、第2章ではHSPの特徴や現れ方を、脳や自律神経の働きなどと絡めて説明しています。
【第1章、第2章の項目※一部抜粋】
・過剰に敏感なのは、脳内の情報処理が高いから
・脳内の行動制御システムが、慎重さを生み出していた
・トラウマ、愛着障害と敏感さには深い関係がある
・敏感すぎる気質が引き起こす病気や症状 など
このように、著者の精神科医ならではの専門知識から詳しく説明がされており、論理的にHSPの特徴や現れ方を理解することができます。
特徴②:HSPが感じる「生きづらさ」の対処法がわかる
本書の第3章、第4章では、敏感さゆえに感じてしまうことが多い「生きづらさ」をどのように軽減すればよいのか、さらには敏感すぎる自分の特徴を生かすにはどうすればよいのか、その方法について説明がされています。
【第3章、第4章の項目※一部抜粋】
・生きづらさをなくすために大切な3つのこと
・HSPがやめるべき考え方
・HSPが大事にすべき習慣や行動とは
・より具体的な対応策を身につけるために など
特に第4章では、敏感な人が陥りやすい15の「困ったこと」として具体的な場面を例に挙げて対処法を一つずつ丁寧に解説してくれているので、自分の実体験と照らし合わせながら考えることができます。
特徴③:非HSPの人向けにHSPとの付き合い方が書かれている
最後の第5章では、非HSPの人に向けた内容となっており、非HSPの人がHSPの人とどう接していけばいいのかがわかります。
【第5章の項目※一部抜粋】
・あえて、HSPだと理解しずぎずに接する
・理解と尊重が、良い関係づくりのポイント
・環境しだいで、敏感さは「よい方向」に持っていける
・ピリピリした空気、支配したい思いは、絶対にNG など
また、「HSPの子どもの育て方」という項目もあるので、HSPの子どもを持つ非HSPの親御さんや、HSPの子どもと触れ合う機会のある非HSPの先生方は、とても参考になる内容になっています。
『「敏感すぎる自分」を好きになれる本』の学びポイント3選

学びポイント①:HSPの疲労感は「脳」の疲れ
HSPがなぜ疲れやすいのかを理解する内容です。
HSPの人は、五感をはじめとした刺激を敏感に感じる力を持つため、非HSPの人の何倍、人によっては何十倍もの刺激を取り入れながら生活をしています。
そのため、疲れやすくなってしまいます。
ただ、このような疲れは、運動後に感じるような肉体的な疲れと違うと本書では言っています。
ではHSPの人はどのような疲れを感じているのでしょうか?
結論から言えば、脳が疲れており、肉体が疲労しているわけではないので、疲労感を感じている状態になっています。
疲労感は脳の帯状回皮質の前部という、理性や情動などと関わる場所と深く関係しており、そこは自律神経(内臓の働きや代謝、体温などのコントロールをするための神経)や痛みにも関わってきます。
そしてストレスが続くと帯状回皮質の前部の活性が低下し、疲労感や自律神経の乱れ、痛みを感じやすくなります。
なので、HSPの人は大量の刺激を受け続けると、ストレスがたまり、いつしか処理しきれなくなるので、疲労感を溜めやすくなってしまうのです。
学びポイント②:プラス思考ではなく、「プラスの感情」を大事にする
HSPの人は、ささいなことにも気づいて落ち込んでしまうのも、生きづらさを感じる原因の一つです。
こういった落ち込んだり、悩む感情から抜け出すには、「プラスの感情」に目を向けることが大切であると本書では言っています。
ただ、ここで言う「プラスの感情」というのは「プラス思考」とは違います。
違いを以下にまとめてみました。
【「プラスの感情」と「プラス思考」の違い】
○プラスの感情・・・楽しい、嬉しい、喜ばしいといった前向きな感情
○プラス思考・・・「次は失敗しないようにしよう」といった、考えを前向きにすること
簡単に言うと上記の通りですが、本書の内容からもう少し詳しく話をすると、「プラスの感情は潜在意識(=認識できない意識)」、「プラス思考は顕在意識(=認識できる意識)」ということになります。
図で表すと以下のようになります。

図からもわかるように、認識できるプラス思考は氷山の一角にすぎず、無意識であるプラスの感情がほとんど占めていることがわかります。
したがってこのような理屈から考えると潜在意識が土台となって、顕在意識が作られていることがわかります。
つまり、プラス思考になることは決して悪いことではなく、プラスの感情に基づいてプラス思考を作っていけばいいということになります。
今後、落ち込んでしまったときは、この理屈を意識して以下の2ステップをぜひ実践してみましょう。
【落ち込んだときの立ち直る2ステップ】
ステップ①:プラスの感情を意刺激する・・・楽しい映画やお笑い番組などを見て、楽しい気持ちといったプラスの感情や感覚を作る。
ステップに②:プラスの感情になった状態でプラス思考を取り入れる・・・潜在意識にプラスの感覚があるので、「次は失敗しないようにしよう」といった前向きな考えが、頭も素直に反応することができる。
学びポイント③:(非HSP向け) HSPは「楽しくても疲れる」ということを知る
これは、非HSPの人に知っておいて欲しい内容です。
HSPの人は、とても神経を使うので疲れやすいのが特徴にあります。
なぜなら、HSPの人は外部や内側の刺激に敏感に反応し、ストレスホルモンのアドレナリンが大量に分泌されるからです。
つまり、この仕組みを理解して疲れやすい特徴に配慮してあげると、HSPの人はかなり楽になると本書では言っています。
では、具体的にどのように配慮すると良いのでしょうか?
結論を言えば、ふだんはHSPの様子を注意深く見てあげることが大切です。
それで、疲れていないかを確認し、疲れているようであれば、それとなく休ませてあげましょう。
【例】
外出先であれば、歩いたり買い物をするのをいったんやめて、喫茶店に入ったり、静かな場所で一休みする時間をとる
※注意点
ときには言葉で直接聞くことは重要ですが、常に「大丈夫?疲れてない?」と聞きすぎるのはやめましょう。HSPの人は、自分の疲れやすさが相手の負担になっているのではないかと、考えを巡らせてしまいます。
ただ、HSPの人は心から楽しんでいる場面もたくさんあります。
楽しんでいる場面は非HSPと同じくらいありますが、楽しんでいてもHSPの人は刺激を受けるとアドレナリンが大量に分泌され疲れやすいという特徴は出ます。
したがって、このポイントをおさえておけば、HSPの人の状況も自然に理解ができ、非HSPの自分が何か悪いことをしたのではないかと、心配することもなくなるので、お互いに楽な関係性が作っていくことができるので覚えておきましょう。
『「敏感すぎる自分」を好きになれる本』のまとめ
『「敏感すぎる自分」を好きになれる本』のポイントについてここで、再度まとめておきます。
学びポイント①:HSPの疲労感は「脳」の疲れ
→HSPの人は大量の刺激を受け続けるので、ストレスがたまり、いつしか処理しきれなくなり疲労感を感じてしまう
学びポイント②:プラス思考ではなく、「プラスの感情」を大事にする
→プラス思考になることは決して悪いことではなく、プラスの感情に基づいてプラス思考を作っていけばいい
学びポイント③:(非HSP向け)HSPは「楽しくても疲れる」ということを知る
→HSPの人はどんな楽しい場面でも外部や内側の刺激に敏感に反応し、ストレスホルモンのアドレナリンが大量に分泌され、疲れてしまう
本書では他にも、ここでは紹介しきれなかった内容がたくさん説明されているので、気になった方はぜひ読んでみてください。
きっと敏感な自分がこれまでよりも好きになれるはずです!
今回は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。