そんな悩みに『ひといちばい敏感な親たち』はお答えしています。
※HSPを知らない方は、こちらの記事を読んでいただくと本記事が理解しやすくなります。合わせて読んでみてください。
・ひといちばい敏感な親になるとはどういうことか
・過度の刺激に対処する−HSPの親への適切なケアと評価
・助けを得る−そう、あなたには助けが必要だ
・処理の深さ−さまざまな決断〜体にいいパンを買うことから、人生の目的まで
・強い情動の反応を楽しみ、制御する
・さまざまな社会的接触を切り抜ける−教師、ほかの親、善悪の親戚、医療専門家
・敏感な親とのそのパートナー−問題とそれに立ち向かう方法
・敏感な親とそのパートナー2−、問題に対処する
上記の内容から
本書を読むことで、HSPならではの育児における自分との付き合い方がわかります。
・敏感気質がある親の特徴を知りたい人
・子育ておける敏感な自分との付き合い方を身につけたい人
・パートナーとよりよい関係を作りたい人
こういった人に本書はおすすめです。
それではいきましょう。
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目次
『ひといちばい敏感な親たち』について
著者:エレイン・N・アーロンさん
The Highly Sensitive Personより引用
・HSP研究の第一人者(アメリカの心理学者)
・感覚処理感受性についての研究をしている
・心理療法士でもあり、一般向けにワークショップ等も行っている
アーロン博士やHSPについて詳しく知りたい人は、
公式ホームページでも見ることができます。
日本語にも対応していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
>>【日本語版】The Highly Sensitive Personへ移動
本書の特徴
特徴は主に3つあります。
特徴①:敏感な親の特徴が学べる
特徴②:敏感さとの付き合い方や周囲との関わり方が身につく
特徴③:パートナーとのよい付き合い方がわかる
特徴①:敏感な親の特徴が学べる
「敏感な親って具体的にどういうこと?」
こんな疑問が第1章では解消できます。
✓研究〜「私の敏感性はすばらしい。けれど……」
✓刺激を受けやすい体質は育児にどう影響するか
✓ほかの人との違い など
このようにHSPの基本的な内容から育児におけるHSPの特徴などがわかります。
自己理解を深めるには、必ずおさえておきたい内容です。
特徴②:敏感さとの付き合い方や周囲との関わり方が身につく
第2章〜第6章では、自分との付き合い方や社会との関わり方について幅広く学べます。
ここが一番本書で中心かつ重要な内容です。
✓HSの親はつねに燃え尽き症候群になる可能性がある
✓助けなしで育児をするのは普通じゃない
✓HSの親への眠りを妨げる大問題への対処法
✓休息、休息、休息
✓時期ごと社会生活 など
上記のように、敏感な親には受ける刺激によって様々な困難があります。
だからといって、敏感さを直す(治す)必要は全くありません。
敏感さから来る問題とどう付き合い、ケアをしていくか。
そういった考え方を身につけられる内容になっています。
特徴③:パートナーとのよい付き合い方がわかる
親は子どもだけでなく、パートナーとの関係性も大切。
そこで最後の第7章〜第8章では、
「敏感な親とそのパートナー」といったテーマについて学べる内容となっています。
✓五つの大きな問題
✓サイレント・リスニング
✓人間関係という口座に預金する八つの方法
✓別れ(別居や離婚)を決意したら など
このようにパートナーとよりよく関わるための方法が学べます。
また、万が一「離婚」という決断をされた人に向けた助言もあります。
かなり深いところまで踏み込んだ内容です。
『ひといちばい敏感な親たち』の学びポイント3選
学びポイント①:刺激を受けやすい体質は育児にどう影響するか
「HSPの親はどんな育児をしているの?」
そんな疑問に答える内容です。
育児には3つのスタイルがあると言われています。
①専制型(服従と厳しい制限に重きをおく)
②権威型(子どもの行動を制限しつつ、話もよく聞く)
③迎合型(ほとんど制限せず、子どもの好きなようにさせる)
そこでHSPの親はどれに当てはまるのか?
またその育児スタイルはどんな影響があるのか?
本書では以下のように言っています。
自己申告によるとHSの親は中間の「権威型」よりも、この厳しいか、甘いか、どちらか一方の手法を用いる傾向があることがわかった。(中略)前述のふたつのスタイルが、HSPの育児哲学とは思わないものの、HSの親によれば、彼らはいずれかのスタイルを用いるか、場合によっては両方用いるという。というのも彼らはさまざまなことに圧倒されやすく、そうした際には、子供の要求に対して決まりきった対応をするしかないからだ。
まとめると
・HSPの親は「①専制型」「③迎合型」のどちらかの育児スタイルを選ぶ。
・刺激の度合いによっては、①と③の両方を用いて子どもと接する。
このようになります。
もちろん何が正解とかはありません。
どの育児スタイルにもメリット・デメリットがあるので。
あくまで自己理解のひとつとして、自分の育児スタイルを振り返ってみてはどうでしょうか。
学びポイント②:休息、休息、休息
育児には日々様々なことが起こります。
それに加えHSPは刺激を受けやすい。
上記2つの要因により、HSPの親は相当な疲労を溜め込みます。
このことからHSPの親は絶対に休息が必要であると本書では言っています。
しかし、育児においてゆっくり休息を確保するのはそう簡単ではありません。
ではどうすれば休息を取ることができるのか?
本書では以下のように言っています。
昼寝でもいい。ある友人によると、ここのところいらいらして気分がよくなかったが、三〇分ほど眠っただけで、とてもすっきりしたという。休息は活動の基本である。私たちの思考や行動はすべて意識の在り方次第で、疲れていれば最悪な決定を、冴えていれば素晴らしい決定をくだす。こうした意識の状態は、私たちが身体をどう扱うかによって変わってくる。
十分に時間を確保できるのが理想です。
しかし上記のように短時間の睡眠でも気持ちの変化が良い方向へはたらきます。
そうすることで子どもに対するマイナス感情(イライラ、落ち込みなど)が減るのです。
もし気分が良くない人は、30分だけでも休息時間を作ってみてはどうでしょうか。
学びポイント③:サイレント・リスニング
「パートナーと考えが合わずよくケンカをしてしまう…」
こんな悩みはありませんか?
ここではパートナーと関係がうまくいっていない場合に、ぜひ活用してほしい方法を紹介します。
それは「サイレント・リスニング」です。
著者のアーロン博士は夫と絶対に解決できなさそうな問題を、サイレント・リスニングによって解決したと本書で言っています。
具体的な流れとしては以下の7ステップです。
1. たとえば一方が五分話すと決めたら、もうひとりは反論があっても、邪魔をせず黙ってきくこと。(中略)
2.ただし、聞き手は自分の番がきたときに備えて、言いたいことをメモしてもいい。(中略)
3.相手が沈黙のルールを破っても「うん、黙っているのってむずかしいよね」と聞き流して、そのまま話をつづけること。
4.役割を交代する。(中略)
5.両者が同じ時間を話したら、順番に意見を述べ、聞き手のときはやはり口を挟まないこと。意見を言うのは長くても二分。
6.それ以上何も言わないこと。ひとりになって考え、三〇分後に集合する。その際は多少話してもいい。(中略)
7.相手が十分に話せていないと感じたら「ほかには?」と促してあげるといい。(中略)
どうでしょうか?
特に最初の五分話を聴き続けるのは、かなり大変だと思います。
パートナーと関係が悪いとより自分の意見を押し付けたくなる傾向があるので。
ただ、ここを辛抱すればきっと解決の糸口につながるはずです。
大変かと思いますが、ぜひ実践してみてください。
『ひといちばい敏感な親たち』のまとめ
『ひといちばい敏感な親たち』のポイントについてここで、再度まとめておきます。
学びポイント①:刺激を受けやすい体質は育児にどう影響するか
HSPの育児スタイルは「①専制型」「③迎合型」であり、刺激の度合いによって使い分けている
学びポイント②:休息、休息、休息
育児はゆっくり休息を確保するのが困難。しかし30分の睡眠を確保するだけでも気持ちの変化が良い方向へはたらく
学びポイント③:サイレント・リスニング
7つのステップによりお互いの話を聴くことで、これまで困難だった問題の解決につながる
実際の本書には、ここでは紹介しきれなかったすばらしい内容が盛りだくさんです!
気になった方はぜひ読んでみてください。
きっと自分との付き合い方が上手になり、育児にも前向きになれるはずです!
今回は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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