HSP本(書評)

【書評&要約まとめ】敏感すぎる私の活かし方│エレイン・N・アーロン

繊細な人
繊細な人
気にしすぎとか敏感すぎることってよくないのかな…もっと今の自分を活かせる方法を詳しく知りたい。

そんな悩みに『敏感すぎる私の活かし方』はお答えしています。

 

※HSPを知らない方は、こちらの記事を読んでいただくと本記事が理解しやすくなります。合わせて読んでみてください。

HSPとは? 「まわりの人が気にしないささいなことが気になる・・・」 「相手の気持ちもちょっとした違和感もすごく感じてしまう・・・」 ...

 

本書の内容

・とても敏感であるということ−欠陥であるという(間違った)感覚

・さらに先へ−あなたの性質を理解するロブとレベッカの場合

・HSPの健康状態とライフスタイル−幼児/身体から受け取る愛と学び

・子供時代と思春期をリフレーミングする−自分を育てる方法を学ぶ

・社会生活−「内気」になること

・職場で輝く−歓びに従い、光り輝く天職とは

・親密な人間関係−繊細な恋愛という挑戦

・深い傷を癒す−それぞれのプロセス

・医師とHSP−医学における未知の領域を開拓する

・魂とスピリット−真の宝がある場所

上記の内容から

本書を読むことで、HSPであることのメリットと具体的な活かし方について知ることができます。

 

・学術的にHSPを学びたい人

・根拠をもとにHSPであることのメリットを知りたい人

・HSPと上手に付き合うための対処法を身につけたい人

 

こういった人に本書はおすすめです。

 

管理人タチ
管理人タチ
本書はHSP研究の第一人者が書いてます。HSPの歴史はここから始まったと言っても過言ではありません。少し内容は難しいですが、詳しく学びたい人には必ず読んでおきたい一冊となっています!  

 

それではいきましょう。

 

 

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目次

『敏感すぎる私の活かし方』について

著者:エレイン・N・アーロンさん

The Highly Sensitive Personより引用

・HSP研究の第一人者(アメリカの心理学者)

・感覚処理感受性についての研究をしている

・心理療法士でもあり、一般向けにワークショップ等も行っている

 

アーロン博士やHSPについてさらに詳しく知りたい人は、

公式ホームページでも見ることができます。

日本語にも対応していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

>>【日本語版】The Highly Sensitive Personへ移動

 

本書の特徴

特徴は主に3つあります。

特徴①:敏感さの捉え方を変えることができる

特徴②:HSPが社会生活に適応するための方法が身につく

特徴③:HSPと心理療法・医療の関係について学べる

 

特徴①:敏感さの捉え方を変えることができる

 

「そんなの気にしすぎだよ!」

このように周囲から言われたことはありませんか?

敏感さというのは、現代では少しマイナスな印象に捉えられやすい傾向があります。

その結果「敏感であること自体が問題なんだ…」と思い込んでしまうのです。

しかし、それは間違っているということを本書の第1章〜第4章では解説しています。

 

✓特別であることの誤解

✓HSPの定義―覚えておきたいふたつのこと

✓そう、敏感でもいいのだ

✓「才能ある自分」をもう一度育て直す など

 

上記のようにマイナスに捉えがちだった「敏感さ」への誤解を解消することができます。

きっと今までにない新しい自分の一面に気づける内容となっています。

 

特徴②:HSPが社会生活に適応するための方法が身につく

 

HSPは基本的に中立的(プラスでもマイナスでもない)概念です。

しかし先ほども言いましたが、社会の中ではマイナスな印象にHSPは捉えられてしまいます。

理由としては「外交的で、すぐに行動ができて、前向きな人」が評価されやすい世の中だからです。

そこで第5章〜第7章では、HSP気質があっても社会生活で自分らしく生きるための考え方やその方法を身につけることができます。

 

✓「社会的不快感」をどう考えるか

✓興奮状態に対処する五つの方法

✓HSPの天職

✓敏感性が人間関係を豊かにする など

 

上記のように、仕事や人間関係など具体的な場面にまで落とし込んだ対処法を学びことができます。

きっと本書を読み終えるころには、すぐにでも実践してみたくなるはずです。

 

特徴③:HSPと心理療法・医療の関係について学べる

 

「HSPは不安になりやすい」

これは脳の神経システムの高ぶりが関係していると言われています。

それにより、精神状態が不安定になって心理療法や医療を受ける方もHSPの中にはいると本書では言っています。

そこで、最後の第8章〜第10章では

HSPと心理療法・医療の関係について学べる内容になっています。

 

✓HSPと認知行動療法

✓心理療法はどんなHSPにも有効か?

✓あなたの気質に対する医学的レッテルに注意する

✓あなたの気質が心の問題と思われたら など

 

ここで注意点があります。

上記の内容はHSPを直す(治す)ための内容ではありません。

なぜなら、HSPは疾病や障害ではなく「生まれ持った気質」だからです。

あくまで、脳の神経システムが高ぶって不安になったときのアプローチとして、

心理療法や医療があるというイメージになります。

その点を踏まえて、実際の本書を読んでいただくと適切に理解ができるはずです。

 

『敏感すぎる私の活かし方』の学びポイント3選

 

学びポイント①:HSPは異質か

 

「HSPは5人に1人の割合でいる」

このようなことを聞いたことはありませんか?

結論としては、上記の通りHSPは少数派であることは間違いありません。

しかし、HSPの研究では様々な説があると言われています。

 

具体的には以下の通りです。

①大多数がHSPと非HSPの中間にいるため、HSPという概念は明確に区別できない

②HSPか非HSPのいずれかに分けられる

③約20%〜35%はきわめてHSP、約40%〜47%はほどほどにHSP、約25%〜35%は非HSP

 

このような研究によって様々な結果が出ているため、現時点でHSPを明確に分ける基準はないと言えます。

 

しかしながら、上記3つの研究結果から本書では以下のようにまとめています。

つまるところ、あなたは特別な少数派の一部であるということだ。ひとりではないが、周囲の大多数とは違う。しかもそれは目に見えない違いであり、敏感でない人との交流において、頻繁に影響を受けることになる。だがこの気質の利点を忘れないでほしい。みんなが気づけないことに、あなたは気がつけるのだ!

 

このように言っております。

 

以上からHSPは

「はっきり異質とは断言できないものの、少数派であり、その気質ならではの特別な利点がある」

ということは覚えておきましょう。

 

管理人タチ
管理人タチ
HSPは少数派だがひとりではない。この言葉で救われ方も多いはずです。「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と思えることは、すごく安心感に繋がります。改めてアーロン博士に感謝ですね。

 

学びポイント②:人前で話す、発表する。

 

人前で話すことは、HSPにとって、得意か不得意どちらだと思いますか?

「たぶんだけど不得意そう…」

と思った人も多いかと思います。

理由としては、

「うまく話せるかな…失敗したらどうしよう…」

きっとHSPであれば、こんなふうに不安になってしまうからです。

 

しかし、HSPは人前で話すようなことはうってつけだと本書では言っています。

 

その理由は2つあり、以下のように言っています。

うってつけの理由は、まず、他の人は見逃しがちな重要なポイントに気づき、それを伝えようとする点だ。みんなから感謝されると、私たちは報われたと感じ、次回はもっと楽にできるようになる。第二に、HSPは準備を怠らない。(中略)重要なのは、とにかく、しつこいくらい準備をすることである。

 

「うまく話せるかな…失敗したらどうしよう…」

実はこういった不安が、人前で話すことにおいてはプラスに働いているということです。

 

つまり、HSPは発表の場面において自分を卑下する必要はまったくありません。

むしろいつも感じている不安は、プラスの力になっています。

これからも自信を持ってHSPの特性を発揮して行きましょう!

 

管理人タチ
管理人タチ
HSPは人前で話すことが苦手だと思っていたので、意外な発見でした。もしかしたら本人が「苦手意識」を持っているだけで、才能や素質が潜んでいるということだったんですね。新しい可能性に気づけてよかったです。

 

学びポイント③:あなた以外のHSPはどうしているか

 

ここでは、あなた以外のHSPの人が「どのような仕事」をしているのかについて紹介します。

いきなり結論ですが、以下の通りになります。

教師、美容師、住宅ローンの仲介業者、パイロット、客室乗務員、大学教授、俳優、幼稚園の先生、秘書、医師、看護師、保険外交員、プロアスリート、料理人、コンサルタントなど、HSPならほとんどどんな職種でも静かに、思慮深く、良心的にこなすだろう。
他にも、家具職人、トリマー、心理療法士、牧師、重機の運転手(音はうるさいが他人はいない)、農家、作家、芸術家、診療放射線技師、気象学者、庭師、科学者、薬剤師、編集者、人文学者、会計士、電気技師など、HSPにふさわしい仕事はたくさんある。

 

どうでしょうか?

もちろん個人差はありますが、HSPに向いている仕事はたくさんあるということです。

上記の仕事は、HSPの特性「※DOES」から考えてみると、向いていることがイメージできるかもしれません。

※「DOES」とは

HSPの人であれば必ず気質として存在する4つの特性

①:Depth(深く考える)
②:Overstimulation(過剰な刺激を受けやすい)
③:Emotional & Empathy(感情移入しやすく共感力が高い)
④:Subtlety(五感が鋭い)

 

他にも「職種でのHSPの才能の発揮方法」「快適な職場の作り方」など実践的な内容も豊富です。

つまり、HSPの天職について知るヒントをたくさん見つけることができます。

現在、自分の仕事に悩んでいる人には必ず役立つので、ぜひ本書を手にしてみてくださいね。

 

管理人タチ
管理人タチ
「働くこと自体向いていないのかな…」こう思うHSPの人もいますよね。しかし、それはたまたま気質と合わなかっただけなのかもしれませんね。本書を読むと「こんなにも仕事の選択肢があるんだ。」と前向きな考えに変わるので!

 

『敏感すぎる私の活かし方』のまとめ

『敏感すぎる私の活かし方』のポイントについてここで、再度まとめておきます。

学びポイントまとめ

学びポイント①:HSPは異質か
異質とは断言できないものの、少数派でありその気質ならではの特別な利点がある

学びポイント②:人前で話す、発表する。
HSPは、不安になりやすいという特性が人前で話す場面ではプラスに働いている

学びポイント③:あなた以外のHSPはどうしているか
HSPの特性「DOES」から考えると向いている仕事は豊富にある

実際の本書には、ここでは紹介しきれなかったすばらしい内容が盛りだくさんです!

気になった方はぜひ読んでみてください。

 

きっと本書があなたを救ってくれる大きなきっかけになるはずです!

 

今回は以上です。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

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この記事を書いた人
タチ
タチ
精神保健福祉士。自身もHSP気質を持つ。 当サイトでは60冊以上のHSP本の紹介や、HSPに向けたお役立ち情報を発信しています。 繊細な人の「心身の健康」や「よりよい生活」に貢献できれば幸いです。