HSP本(書評)

【書評&要約まとめ】繊細すぎてしんどいあなたへ HSP相談室│串崎真志

怖い先生が苦手だったり、クラスメイトの顔色を気にしてばかりで学校に行くのがつらい…。こんな小さなことで悩んじゃうのは自分だけなのかな…

 

そんな悩みに『繊細すぎてしんどいあなたへ HSP相談室』はおこたえしています。 

 

HSPを知らない方は、こちらの記事を読んでいただくと本記事が読みやすくなるので、あわせて読んでみてください。 

HSPとは? 「まわりの人が気にしないささいなことが気になる・・・」 「相手の気持ちもちょっとした違和感もすごく感じてしまう・・・」 ...

 

 

本書の内容

・「繊細さ」にはいろいろな種類がある 

・タイプ別対処法を考える 

・当事者を生きる、非当事者を生きる 

上記の内容から 

本書を読むことで、繊細さからくる生きづらさを抑え、生きる力として活かす方法を知ることができます。 

 

・自分はどんな繊細なタイプを持っているのか知りたい人 

・10代ならではの悩みのケースと対処法を知りたい人 

・繊細さで悩んだ時の相談場所を知りたい人 

こういった人に本書はおすすめです。 

 

管理人タチ
管理人タチ
本書は特に10代の方向けに書かれた内容になっているので非常にわかりやすいです。また、10代の方だけでなく、繊細なお子さんを持つ親御さんにも役立つ1冊となっています!

 

それではいきましょう。 

 

目次

『繊細すぎてしんどいあなたへ HSP相談室』について 

著者串崎真志さん 

Masashi Kushizaki, Ph.D. – 串崎真志 – Google Sites より引用 

・関西大学文学部教授 

・ NPO法人寺子屋ひゅっげ 副理事長 

・日本では数少ないHSP研究者 

 

串崎先生はHSPの研究者として様々な論文や著書を出されている一方、 「NPO法人寺子屋ひゅっげ」ではカウンセラーとしても実際のHSP当事者の方の相談にも乗られています。 

 

「NPO法人寺子屋ひゅっげ」ホームページでは、随時カウンセリングのお知らせを更新されているので気になった方はぜひチェックしてみてください。 

⇒ NPO法人寺子屋ひゅっげHP 

 

本書の特徴 

本書の特徴は以下の3つです。 

特徴①:自分が持つ繊細さのタイプが分かる 

特徴②:タイプ別の対処法が身につく 

特徴③:抱えきれない悩みを相談できる場所が見つけられる 

 

特徴①:自分が持つ繊細さのタイプが分かる 

 

「繊細さ(=HSP)」というのはひとくくりにするのではなく、実はいろんなタイプに分けられます。 

そこで第1章では、特に10代にみられる繊細さのタイプについて、どのような種類があるのか理解することができます。 

ちなみに本書では繊細さのタイプは全部で6種類に分けられるということを言っています。 

 

✔タイプ①:「怒っている人が怖い」 

✔タイプ②:「友だちの顔色をうかがってしまう」 

✔タイプ③:「教室に居づらい」 

✔タイプ④:「人の気持ちに気づく」 

✔タイプ⑤:「空想が大好き」 

✔タイプ⑥:「匂いや音などに敏感」 

 

上記のようなタイプに分けられます。 

それぞタイプごとの事例がついているので、どれが自分に当てはまるのか共感しながら理解することができます。

 

特徴②:タイプ別の対処法が身につく 

 

第1章では繊細さのタイプについて説明しましたが、第2章ではそれぞれのタイプに分けた対処法を身につけることができます。 

 

特に 

タイプ①(怒っている人が怖い)

タイプ②(友だちの顔色をうかがってしまう)

タイプ③(教室に居づらい)

タイプ⑥(匂いや音などに敏感) 

 

これら4タイプについては、どちらかと言うとネガティブにとらえて生きづらさを感じてしまう傾向があるので、この上記4つに対する対処法を紹介しています。 

なので、4つのタイプどれかに当てはまる人であれば、きっと役立つ対処法が理解でき、「生きづらさ」から「生きやすさ」に変えられるはずです。 

 

特徴③:抱えきれない悩みを相談できる場所が見つけられる 

 

悩みというのは、対処法を持っていても1人ではどうしても解消できないことはあります。 

そこで最後の第3章では、1人では抱えきれない悩みが出たときに相談できる場所などを紹介しています。 

 

✔学校のなかで相談する 

✔学校の外で相談する 

✔カウンセリングの様子 

✔自分に合う場所を探す など 

 

10代というのはいろんな葛藤があり、悩みやすく気持ちが不安定になりやすい時期です。特に繊細な気質を持つとそれがより一層強くあらわれることもあります。 

なので本人だけでなく、親御さんといった保護者の方にもぜひ第3章は読んでいただきたい内容になっています。 

 

『繊細すぎてしんどいあなたへ HSP相談室』の学びポイント3 

 

学びポイント①:イライラに対処する 

 

「え、繊細な人ってイライラしやすいの?」 

このように疑問に感じた人もいるかもしれません。 

 

結論から言ってしまえば、繊細な人は直接的にイライラするという性質を持っているわけではありません。

 

しかし、 

・不機嫌な人のイライラが移る 

・疲れたときにイライラする(繊細な人は疲れやすい傾向があるため) 

 

こういった状況のときにはイライラが出てしまいやすいです。 

また、10代であるとホルモンバランスの関係で、イライラしやすい年頃でもあります。 

 

そこで、本書では上記のイライラに対処するために3つの方法を紹介しています。 

本書の内容を引用するので参考にしてみてください。 

 

【イライラ対処法3つ】 

対処法①:6秒ルール 

誰かを(何かを)衝動的に攻撃したくなったら、怒りに任せるのではなく、心のなかで六秒間、数を数えましょう。これは六秒ルールという方法です。怒りの持続性は短いので、この「待ち」の時間を取るだけで、怒りは収まるといわれています。 

 

対処法②:日記をつける 

(前略)日記というと古風ですが、ブログでもSNSでもかまいません。不安などの否定的な気持ちは、言葉にすることで和らぐことで知られています(ただし、オンライン上に公開するときは慎重にしましょう)。 

 

対処法③:軽い運動 

(前略)ウォーキングなどの全身の有酸素運動は、血行を良くし、気分転換になります。体がほぐれると、心もほぐれるのです。音楽に合わせたダンスも、楽しくて効果的だと思います。 

 

どうでしょうか? 

すべてやらなくても、どれかひとつ実践してみれば効果はあると思うので、自分ができそうなものから取り組んでみましょう。 

 

管理人タチ
管理人タチ
人からのイライラが移りやすいはすごく納得しました。個人的には上記の3つの対処法に加えて「不機嫌な人にはできるだけ近づかない」という対処法もありかなと思いました。僕自身、最近は不機嫌になりやすい人と極力関わらないようにしてるので、ストレスがかなり減りました。  

 

学びポイント②:「2・6・2の法則」で考える 

 

本記事の特徴①で説明した繊細さのタイプ 

「友だちの顔色をうかがってしまう」 

このタイプの対処法についてここでは紹介します。 

 

結論、2つの対処法があります。 

対処法①:気持ちのバロメーターを意識する 

対処法②:「2・6・2の法則」で考える 

この2つです。 

 

ただ今回は、対処法②の【「2・6・2の法則」で考える】のみをピックアップして紹介します。 

 

「2・6・2の法則」とは、自分の見方(フレーム)を変える方法です。 

なぜこの対処法が有効なのかと言うと、繊細な人は「相手からどう思われているのか」を気にしてしまう傾向があるからです。

このことから「人に嫌われたくない」や「多くの人に好かれたい」という気持ちを強く持ってしまっているのです。 

ただ、全員と仲良くするってなかなか難しいですよね。 

そんなときに「2・6・2の法則」を意識すると有効です。 

 

以下にこの法則の考え方を本書の内容を引用して紹介します。 

 

【2・6・2の法則】 

・あなたに賛成してくれる人は必ず二人いる。 

・逆に、あなたを反対する人も必ず二人はいる。 

・そして、残りの六人はどちらでもない人たちである。 

 

上記からもわかるように人間関係は「2人は味方」「2人は反対」「残り6人は無関心」という法則になっています。

これはどんな状況でどんだけ自分が努力しても成り立つ法則だと本書では言っています。

つまり、全員から好かれるのは難しいということです。 

 

少し悲しい現実のように感じるかと思いますが、逆に考えれば「2人の味方」と仲良くすれば、良い人間関係が作れ、気持ちよく生活することができるようになります。 

これが、「2・6・2の法則」よって自分の見方(フレーム)を変える方法です。 

気持ちがとても楽になるのでぜひ実践してみましょう。 

 

また、もう1つの対処法気持ちのバロメーターを意識する」を合わせて活用すると、さらに自分を客観的にみることができるようになります。 

気になった人はそちらも本書でぜひ読んでみてくださいね。 

 

管理人タチ
管理人タチ
「2・6・2の法則」はすごく共感しました。楽しいときはもちろんですが、つらいときでも必ず2人は自分のことを味方してくれる人がいると思うと心が軽くなります。そういった人たちを今後も大切にしたいなと強く思いました。  

 

学びポイント③:学校の外で相談する 

 

ここは繊細な気質をもつ10代の方だけでなく、その親御さんにもぜひ読んでいただきたい内容です。 

 

結論を言いますと、自分だけでは対処しきれない悩みは家や学校以外に「外部の機関」でも相談できる場所があるということを本書では言っています。 

特に本書の中では「思春期外来(児童思春期外来)」という地域の病院をおすすめしています。 

理由としては、思春期に理解のある専門職の人たちが話を聞いてくれるからです。 

具体的には、以下のような専門職の人たちが思春期外来にはいると本書では紹介しています。 

 

【思春期に理解のある専門職】 

・医師 

・看護師 

・公認心理師 

・精神保健福祉士

 

上記のような「心のスペシャリスト」たちがスタッフとして出迎えてくれ、親身に悩みを聞いてくれるのです。

また、病院で相談するとカウンセリングに加えて、心身の症状が出ている場合はお薬などを処方をしてくれることもあります。 

つまり、学校の外でも話をゆっくり聞いて、心身の健康を支えてくれる体制が整っているとうことです。

 

「けど、わざわざ病院まで行って相談するのはちょっとハードルが高いな…」 

このように思う人もいるかもしれません。 

そういった場合は一度、親御さんに協力をあおいでみるのもといいと本書では言っています。 

なぜなら、多くの親御さんは、子どもの助けになりたいと思っているからです。 

もし「学校の外で相談してみたい」という気持ちが少しでも出てきたら、まずは自分のお父さん、お母さんに相談してみましょう。 

きっとその気持を尊重してくれるはずです。 

 

管理人タチ
管理人タチ
僕も大学生のとき悩んで不眠症になったことがあります。その時はまず母親に病院に行きたいということを相談しました。もちろんその気持を尊重してくれました。親はいつでも子どもの味方だと思うので、まずは親に自分の思いを打ち明けてみるのが、悩みを解消するための第一歩になるのかなと感じています。  

 

『繊細すぎてしんどいあなたへ HSP相談室』のまとめ 

『繊細すぎてしんどいあなたへ HSP相談室』のポイントについてここで、再度まとめておきます 

学びポイントまとめ

学びポイント①:イライラに対処する 
繊細な人は相手のイライラ感情が移りやすいため「6秒ルール」「日記をつける」「軽い運動」をすると、イライラに対処できるようになる 

学びポイント②:「2・6・2の法則」で考える 
人間関係は「2人は味方」「2人は反対」「残り6人は無関心」という法則で成り立っている

学びポイント③:学校の外で相談する 
「思春期外来」には、思春期に理解のある専門職の人たちが悩みを聞いてくれる体制が整っている

実際の本書には、ここでは紹介しきれなかったすばらしい内容が盛りだくさんなので、気になった方はぜひ読んでみてください。

 

きっと繊細さの本当の価値に気づき、生きるのが楽しくなるはずです! 

 

今回は以上です。 

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。 

 

 

この記事を書いた人
タチ
タチ
精神保健福祉士。自身もHSP気質を持つ。 当サイトでは60冊以上のHSP本の紹介や、HSPに向けたお役立ち情報を発信しています。 繊細な人の「心身の健康」や「よりよい生活」に貢献できれば幸いです。