そんな悩みに『HSPと発達障害』はお答えしています。
※HSPを知らない方は、こちらの記事を読んでいただくと本記事が読みやすくなるので、合わせて読んでみてください。
・HSPと発達障害は似ている!?―グレーゾーンの人が増えている
・あなたはHSP?発達障害?―まずはチェックしてみましょう
・HSPと発達障害・グレーゾーン―「困った・苦しい」の対処法とその原因
・「人と違っている」ことが素晴らしいのです―HSP・発達障害は才能の宝庫
・「今の私のままでうまく生きる」―そのためにすべきこと
・「生きていくのが苦しい」からの脱出―HSP・発達障害・うつ・グレーゾーンの人のためのリラックス法
上記の内容から
本書を読むことで、HSPと発達障害の違いが明確になり、それぞれの生きづらさの原因からあなたに合った対処法を見つけることができます。
・HSPや発達障害のような症状が混ざり自分はどちらなのか知りたい人
・自分の行動パターンの傾向やクセを把握したい人
・自分の落ち込みに気づいているけど対処法がわからない人
こういった人に本書はおすすめです。
僕もHSP気質を持っているので生きづらさを感じることは多くあります。ただ本書はその生きづらさに重点置いて対処法を教えてくれるので、読み終えたころには心が軽くなること間違いなしです!
それではいきましょう。
目次
『HSPと発達障害』について
著者:高田明和さん
・浜松医科大学名誉教授
・脳科学、心の病、栄養学、禅などに関するベストセラーを含む著書多数
・近年はマスコミ・講演で心と体の健康に関する幅広い啓蒙活動を行っている
医大の名誉教授というとてもすごい方ですが、著者自身もHSPであり過去にうつ状態になった経験があります。
このことからその実体験と医大の教授である知識を活かして、本書以外にも様々なHSPに関する書籍を出版されています。
著書の書籍一覧はこちらから確認できます☟
本書の特徴
特徴は主に3つあります。
特徴①:HSPと発達障害の共通点や違いを理解できる
特徴②:HSPと発達障害の苦しさの原因や持っている魅力がわかる
特徴③:HSPや発達障害のありのままで生きる方法が学べる
特徴①:HSPと発達障害の共通点や違いを理解できる
第1章~第2章では、
「HSPと発達障害は何が似ていて何が違うの?」
こんな疑問を解消してくれます。
【第1章~第2章の内容】
・HSPと発達障害の類似点と相違点
・HSP度と発達障害度のチェックリスト
・HSPと発達障害どちらにも当てはまるグレーゾーンの人
このような内容から、HSPと発達障害の違いを理解でき、またチェックリストを通して自分自身はどちらの傾向が強いのか知ることができます。
特徴②:HSPと発達障害の苦しさの原因や持っている魅力が学べる
第3章~第4章では、HSPや発達障害の人は、「なぜ生きづらいと感じてしまうのか?」この原因を知ることができ、またそれぞれの持っている魅力や才能についても学ぶことができます。
【第3章~第4章の内容】
・生きづらさの原因となる脳内ホルモンについて
・自分のトリセツの作り方
・「他人と違う自分」ことが偉大な長所
・「敏感さ」「弱さ」は、強い武器
上記のように、これまで感じていた生きづらさの正体がわかり、それを知ったうえでHSPや発達障害の人だけにしか持っていない才能を見つけることができるので、読み終えたころには「今の自分いいかも」と思うことができるようになるはずです。
特徴③:HSPや発達障害のありのままで生きる方法が身につく
第5章~第6章では、これまでの知識を踏まえてHSPや発達障害であるあなたらしさを大切にして生きる具体的な方法を身につけることができます。
【第5章~第6章の内容】
・自分の傾向やクセについて
・欠点を長所にする捉え方
・HSPや発達障害の人に向いている仕事
・苦しいときのリラックス法
このように自分自身との付き合い方や、向いている仕事を通してこれからの未来について考えることができるので、きっとあなただけにしか進めない自分の道を見つけるきっかけになります。
『HSPと発達障害』の学びポイント3選
学びポイント①:空気が読めない発達障害、空気を読みすぎるHSP
ここではHSPと発達障害の共通点や違いについて説明しています。
いきなり結論ですが、HSPと発達障害の共通点や違いは以下の表のようになります。
このように比較すると共通点や違いがはっきりしますが、実際のところは、
「落ち着きがない」「自己肯定感が低い」「対人関係がうまくいかない」
こういった悩みを抱えるHSPや発達障害の人は多く、共通した特徴のせいから医師でも判断が難しいと本書では言っています。
理由は以下の3つです。
理由①:HSPの概念が一般的にまだ認知度が低く、医師の中にも知らない人が多いため
理由②:発達障害についても専門の医師はまだ少なく、正確な判断が難しいため
理由③:HSPと発達障害には似た症状が多いため
こういった理由から、そもそも専門家の数が少ないことや認知度の低さが原因であることがわかります。
ただ、違いを見分けるための捉え方はあります。
それは、
いま出ている症状が「原因」なのか「結果」なのか?
ここに着目すると、自分がHSPなのか発達障害なのかがわかるきっかけになると本書では言っています。
例えば、HSPと発達障害に共通する「落ち着きがない」を例に挙げると以下の流れで「原因」なのか「結果」なのかが見えてきます。
【HSPの場合】
「人の言葉や情報の氾濫で混乱する」→落ち着きがなくなる→ミスが増える→注意を受ける→落ち込む
【発達障害の場合】
「落ち着きがない(多動性)」が原因でミスが起き、注意を受ける→落ち込む
つまり、
◎HSPの「落ち着きがない」は、外部の刺激が原因による「結果」
◎発達障害の「落ち着きがない」は、元々落ち着きがない(多動性)という脳機能の特性による「原因」
このような違いが見えてくるので、これまでの自分が落ち着きがなかった状況を振り返ってみるとHSPか発達障害かを見分けるきっかけになると思うので一度考えてみましょう。
ただこういったチェックリストや上記で説明した内容はあくまで自己判断における指標でしかありません。
とくに発達障害は医学の分野になるので診断が必要な人は、詳しい医師を探すことをまずは優先したほうがいいと思います。
学びポイント②:自分のトリセツ・辞書を作る
HSPや発達障害で生きづらさを抱えている人には、自分のトリセツ・辞書を作るといいと本書では言っています。
なぜならトリセツを作ると、自らの行動パターンのクセ・傾向を知ることができるのでこれまでの苦しさを長所や武器に変えることができるからです。
つまり、あなたにしかない「才能」を見つけられるようになります。
では、具体的にどのように自分のトリセツ・辞書を作れば良いのでしょうか?
本書ではトリセツを作る際には8つのポイントを意識するといいと言っているので、参考にしてみてください。
【トリセツを作る際のポイント8つ】
ポイント①:身近な人に自分のクセや傾向をチェックしてもらう
ポイント②:周りの人に、自分のクセ、傾向を伝え、協力してもらう
ポイント③:余力があれば身近な人のトリセツも作る
ポイント④:機械的な対応でいいと割り切る
ポイント⑤:メモ魔になる
ポイント⑥:神経と気質の問題と捉える
ポイント⑦:「自分で解決できる問題」と「共存するしかない問題」を区別する
ポイント⑧:欠点ばかりにとらわれず、長所や得意分野を中心に考える
このように様々な視点から考え、また周りの人の力を借りながらトリセツを作ることは、これまで気づかなかった新しい自分の魅力を発見するきっかけになるはずなので、生きづらさから解放されたいHSPや発達障害の人はすぐに実践してみましょう。
ただ、共存するということはその問題とうまく付き合うことができれば、生きづらさからは解放されるはずなので、自分なりの対策を見つけたいと思いました。
学びポイント③:発達障害かも……と思ったら
ここはHSPの内容ではなく、自分自身が発達障害かもしれないと思ったり、自分の子どもが発達障害なのではないかと感じている親御さんに向けた内容になっています。
結論からお伝えすると、もし自分自身やお子さんが発達障害であると感じたら、専門の場所に一度相談することを本書では提案しています。
理由としては、2004年に「発達障害者支援法」という法律が制定され、現在は様々な福祉サービス(専門的な相談や支援)を受けることができるからです。
本書では以下の支援機関を紹介してくれていますので、よければ1度検討してみてください。
【発達障害について相談できる支援機関】
〇市町村の保健センター
地域保健法という法律によって、市町村に設置されている
〇児童相談所
児童福祉法に基づき、都道府県、政令指定都市、中核都市に設置されている
〇子育て支援センター
育児不安などはここで行われている
〇発達障害支援センター
発達障害者支援法に基づく施設で、都道府県、指定都市に設置されている
そして支援機関での内容ですが主に
・療育
・薬物療法
こういった方法で支援を行い、発達障害の人の社会的自立を目指しています。
※具体的な支援内容に関しては、実際の本書でさらに深い解説をしてくれているので続きはぜひ手に取って読んでみてください。
また、お子さんが発達障害かもと感じている親御さんは、支援機関に相談する前にお子さんの過去から現在まで何がおきたかを説明する必要があるので、以下の5つのことを記録してから相談しに行きましょう。
【支援機関への相談前に記録すること5つ】
①発達の経過
いつ話し始めたか、どのように話したり、コミュニケーションをとっていたか
②小中学、高校の時の様子
③対人関係
いじめに遭っている(経験がある)。トラブルが多い
④親子関係
発達障害の子どもには、親にその傾向を持つ人も多い
⑤現在の状況
現在困っていることは何なのか記録しておく。辛い、困っていることの根底に何があるのか明確にさせて、その治療法を見つけるため
このような情報があると専門家の人は発達障害のタイプがわかるそうなので、できる範囲で確認しておきましょう。
利用者さん同士の関係性ができていけば、これまで抱えていた悩みも打ち明けやすいと思うので、「今の自分のままでいい」と安心できる地域での大切な居場所になりそうですね。
『HSPと発達障害』のまとめ
『HSPと発達障害』のポイントについてここで、再度まとめておきます。
学びポイント①:空気が読めない発達障害、空気を読みすぎるHSP
出ている症状が「原因」か「結果」かを考えるとHSPと発達障害の違いを理解することができる
学びポイント②:自分のトリセツ・辞書を作る
トリセツを作ると、自らの行動パターンのクセ・傾向を知ることができるのでこれまでの苦しさを長所や武器に変えることができる
学びポイント③:発達障害かも……と思ったら
発達障害かもと感じたら国の福祉サービスを利用することで様々な支援を受けることができる
本書では他にも、ここでは紹介しきれなかった内容がたくさん説明されているので、気になった方はぜひ読んでみてください。
きっとこれからは今の自分をもっと大切にしたいと心から思えるようになるはずです!
今回は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。