そんな悩みに『HSPと不安障害』はお答えしています。
※HSPを知らない方は、こちらの記事を読んでいただくと本記事が読みやすくなるので、合わせて読んでみてください。
・コロナ不安
・お金の不安
・誰もが抱える「人間関係」という不安
・女性の不安
・原因がわからない不安と対処法
・ネット不安
・不安と脳のメカニズム
・それでも不安な人の不安を消す方法
上記の内容から
本書を読むことで、不安を司る脳機能をコントロールする方法がわかり、これまで抱えていた不安とうまく付き合えるようになります。
・人並外れて大きな不安を感じてしまう人
・さまざまな不安に継続的に襲われ生きていくのが苦しいと感じてる人
・不安への対処やコントロールする方法を身につけたい人
こういった人に本書はおすすめです。
それではいきましょう。
目次
『HSPと不安障害』について
著者:高田明和さん
・浜松医科大学名誉教授
・脳科学、心の病、栄養学、禅などに関するベストセラーを含む著書多数
・近年はマスコミ・講演で心と体の健康に関する幅広い啓蒙活動を行っている
医大の名誉教授というとてもすごい方ですが、著者自身もHSPであり過去にうつ状態になった経験もあります。
このことからその実体験と医大の教授である知識を活かして、本書以外にも様々なHSPに関する書籍を出版されています。
著書の書籍一覧はこちらから確認できます☟
本書の特徴
特徴は主に3つあります。
特徴①:さまざまな不安について知ることができる
特徴②:不安と脳のメカニズムについて学ぶことができる
特徴③:不安の対処法を身につけることができる
特徴①:さまざまな不安について知ることができる
チャプター①~チャプター④、チャプター⑥ではHSPや不安障害の人が抱える不安について解説してくれています。
【チャプター①~チャプター④、チャプター⑥の内容】
・コロナの不安(テレワーク、コロナ自粛など)
・お金の不安(貯金、老後、お金の本当の不安など)
・人間関係の不安(職場での人間関係、HSP特有の不安など)
・女性の不安(パートナーとの関係、ダイエット、片付けなど)
・ネット不安(ネット上での悪意のあるコメント、いじめなど)
このようにこの時代ならではの不安から普遍的な不安までさまざま視点から説明してくれています。
そのためあなたの現在の状況に合わせた不安を見つけ理解することができます。
特徴②:不安と脳のメカニズムについて学ぶことができる
不安というのは「脳」で生み出されます。
そこでチャプター⑦では、不安と脳の関係性について学ぶことができます。
【チャプター⑦の内容】
・ミラーニューロン、シンクロニティについて
・落ち込みに関係する脳内ホルモン
・脳内物質の特徴や操作方法
・不安と関わる腸内細菌
ミラーニューロンとか脳内ホルモン、腸内細菌といったなんとなく難しそうな言葉が書いてありますが、実際の中身はかなり言葉を嚙み砕いてわかりやすく説明してくれています。
このことから不安が起きる仕組みについては問題なくしっかり自分自身に落とし込むことができます。
特徴③:不安の対処法を身につけることができる
チャプター⑤とチャプター⑧では、あなたに合わせた不安に対する具体的な対処法を身につけることができます。
【チャプター⑤とチャプター⑧の内容】
・パターンに合わせた不安の解決法
・不安を「見える化」する方法
・「苦しい時は逃げていい」の発想
・不安に対する気持ちの方
基本的に不安は常にあるもので、またタイプによって抱える不安は違っていたりします。
ただ、チャプター⑤とチャプター⑧を読むことで、
それぞれが抱える不安と適切な距離を保ち上手に付き合えるようになります。
『HSPと不安障害』の学びポイント3選
学びポイント①:相手の言葉の反復は人の気持ちを和ませる
人とコミュニケーションを取ることに対して不安を感じている人は、「交話的コミュニケーション」という方法を使うといいと本書では言っています。
この言葉自体を覚える必要はありませんが、方法はしっかり覚えておいたほうがいいです。
「交話的コミュニケーション」とは周りの人たちの言葉をひたすら反復する方法です。
(簡単な例を挙げると、何か驚いたことがあったときに、友人から「びっくりしたね」と言われたら、その返事として自分も「びっくりしたね」と同じ言葉を返す)
ただこれだけなのですが、とても効果があります。
なぜなら、言葉の反復は相手への強い興味と関心を示すことができ、絶対的な信頼を表すものになるからです。
実際に優秀なカウンセラーは、クライアントに対して「交話的コミュニケーション」を実践していると本書では言っています。
例えば、会話の流れは以下のような感じで進みます。
そしてこのようなやりとりをしながら、カウンセラーはクライアントの言葉や考えをプラス方向に持っていくきっかけを与えます。
上記は「カウンセラーとクライアント」という関係でしたが、「親子」「夫婦」「上司と部下」といったさまざまな関係性でも活用することができます。
なので、コミュニケーションに不安を感じている人や人の気持ちを和ませたい人は、まずは「相手の言葉を反復する」ということを会話の中で意識してみましょう。
例えば、シンプルですが「素直で謙虚な気持ちを持つ」とか「相手の話に共感する」といった人として大切な気持ちが大前提にあって成り立つような方法な気がします。
どんなに相手の言葉を反復してもそこに感情がなかったら、きっとそれは相手に感じ取られてむしろ嫌な気持ちさせてしまう可能性もありますしね・・・
学びポイント②:「不安は解決したはず」なのに不安
金銭的にも愛情の面でも恵まれていて、現実には不安はないのに、不安を感じてしまう人がいます。
これは「不安がないことが不安な人」とも言えますが、こういった状態になってしまう人には考えられる理由があります。
本書では以下の3タイプの人が不安になりやすいと言っているので、今、不安な状態が多い人はどれにあてはまるのか考えてみてください。
【タイプ①:完璧志向の人】
常に完璧を目指そうとし満足することがないことから不安になってしまう人
(対策)どこにでも自分には「かなわない」と感じる存在がいることを認識する
【タイプ②:不安が常態化している人】
不安に慣れすぎて不安がなくなると、そこにどんな感情を入れていいかわからなくなり不安になってしまう人
(対策)「逆説志向」という、あえて本人が不安や恐れを抱くことする(例:不安なときはわざと「不安だなぁ、怖いなぁ」と声に出す⇒不安を客観視できるようになる)
【タイプ③:自意識過剰な人】
自分への関心が非常に高く、いつも自分の内面ばかりに注目して不安になってしまう人
(対策)「自己超越」という他者や社会に貢献するために自分がやるべきことを考えそれに集中する
上記のように、不安になりやすい人でもタイプによって、不安の生み出され方が違うので、自分がどれに当てはまるのか知って、できる限り不安を「見える化」していきましょう。
そうすれば自分なりの対策が見つかってくるはずです。
ただ、どのタイプにも共通しているのは、自分の不安そのものを受け入れられずに苦しんでいたのが原因だと思うので、まずは「不安になることはダメなことじゃない」と捉え方を変えるところから始めたいと思いました。
学びポイント③:不安をコントロールする脳内物質の特徴とその操作方法
いきなり結論から言いますと、これまで漠然とし不安を抱えていた人はその不安を見える化することでうまく付き合うことできるようになると本書では言っています。
「いやいや、不安が漠然としてるから見える化ができなくて困ってるんですけど・・・」
もしかしたらそう思う人もいるかもしれませんが、不安は「見える化」できます。
なぜなら、不安や恐怖・気分変調の正体は「脳内物質やホルモン」のことだからです。
つまり、「脳内物質やホルモン」の特徴を理解すれば不安は見える化できるようになります。
また上記に加え、心と身体は綿密につながっているので、不安や恐怖といった感情だけでなく、体がだるいや頭痛がするといった身体症状に目を向けることも脳内物質やホルモンの特徴を知るきっかけになります。
では、具体的に脳内物質やホルモンとはどのようなものがあるのでしょうか?
本書では、主となる5つの脳内物質の特徴とコントロール法を挙げてくれているので参考にしてみてください。
【脳内物質①:ドーパミン】
◎特徴
・「幸福ホルモン」と呼ばれ快適な状態のときに分泌される
・情報処理能力や注意力、集中力の向上を促す
◎コントロール法
褒められたり、目的を達成したりと充実感を得たときに分泌することができる
※他人からではなく自分で自分を褒めるだけでも十分効果は期待できる
【脳内物質②:ノルアドレナリン】
◎特徴
・「逃走ホルモン」と呼ばれる抗ストレス物質であり、不安や恐怖と戦うための集中力を高める
・不安症の人は常に分泌されて戦闘態勢になっているため、疲労しやすく精神に支障をきたすことがある
◎コントロール法
時々深呼吸をしたり、瞑想やぼんやりすることで落ち着かせる
【脳内物質③:アドレナリン】
◎特徴
・身体のパフォーマンスを高める物質
・ちなみに似ているノルアドレナリンは脳のパフォーマンスを高める物質
◎コントロール法
ストレスに対して分泌されるので適度な休息を保つことを意識する
【脳内物質④:セレトニン】
◎特徴
・感情を安定させるホルモン
・太陽光のある昼間に多く分泌され、夜になると分泌量が減る
・うつ病と大きく関わっているホルモン(うつ病になると太陽光を浴びてもセレトニンが分泌されにくくなり、落ち込んだ状態が続く)
◎コントロール法
眠る前にカーテンを開け、太陽の光で目覚める
リズム運動を5分~30分程度行う(ジョギングや階段昇降など※音読や読経、カラオケなどでも分泌される)
【脳内物質⑤:エンドルフィン】
◎特徴
分泌されると肉体的・精神的痛みを鎮められたり、幸福感が得られる効果がある
◎コントロール法
・軽い運動をする(例:多少息が上がるほどの強度での15分以上のエアロバイク)
・セックスのような物理的に気持ちいい行為や、脂っぽいものや辛いもの、チョコレートを食べることでも活性化することができる
上記のように、脳内物質の特徴とコントロール法を理解することは、自分自身の心身の健康を管理するうえで非常に重要な内容だと思うので、自分の不安に合わせてまずは1つでも実践してみましょう。
ちなみに朝起きて、太陽の光を浴びるのは毎日の習慣にしていますが、体が自然と目覚めてスッキリするのでおすすめです。
『HSPと不安障害』のまとめ
『HSPと不安障害』のポイントについてここで、再度まとめておきます。
学びポイント①:相手の言葉の反復は人の気持ちを和ませる
「交話的コミュニケーション」という方法で言葉を反復することで、相手への強い興味と関心を示すことができ、信頼関係を作ることができるようになる
学びポイント②:「不安は解決したはず」なのに不安
タイプによって不安の生み出され方は違うため、自分がどれに当てはまるのか知って、できる限り不安を「見える化」する
学びポイント③:不安をコントロールする脳内物質の特徴とその操作方法
不安や恐怖・気分変調の正体は「脳内物質やホルモン」のことであり、特徴を理解することで不安をコントロールすることができるようになる
本書では他にも、ここでは紹介しきれなかった内容がたくさん説明されているので、気になった方はぜひ読んでみてください。
きっとこれまで抱えていた「漠然とした不安」が明確になり、自分の不安を上手にコントロールできるようになるはずです!
今回は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。